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今野敏★スクープ・シリーズ★　集英社文庫

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★商品説明★

今野敏著　「スクープ・シリーズ」　集英社文庫

　「スクープ」　　　　　　　　　　　　　　　２０１２年　５月　文庫11刷
　「クローズアップ（スクープ３）」　　　　　２０１５年　７月　文庫初版
　「アンカー（スクープ４）」　　　　　　　　２０２０年　２月　文庫初版
　　　　　　定価　　　　６００円～７４０円＋税　　３２４頁～３９８頁

★著者略歴★

　１９５５年、北海道生まれ。上智大学在学中１９７８年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。２００６年「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞受賞。２００８年「果断隠蔽捜査２」で山本周五郎賞＆日本推理作家協会賞受賞。２０１７年「隠蔽捜査シリーズ」で吉川英治文学賞を受賞。空手・棒術の指導もする。伝奇小説、警察小説、ＳＦ小説まで広範囲の執筆をする。

★作品内容★

　ニュース記者を描くスクープシリーズ。布施は報道番組”ニュースイレブン”の遊軍記者。布施は見かけによらず凄腕で独自取材で数々のスクープを物にしている。でも本人はのほほんとしたもの。
　＜スクープ＞　第1弾。模範的な記者とは言えないが、スクープを連発する布施。上司でデスクの生真面目な鳩村。警視庁部長刑事の黒田とはお互いに意識しあう持ちつ持たれつの関係。本人は敏腕記者と思っている新聞記者の持田はお愛嬌。ともかく硬派のニュース番組として知られる”ニュースイレブン”キャスターとそのアシスタントは、あの番組をモデルにしているのだろう。今回は7つの短編でスクープを出している連作短編集というところ。主に。政界と暴力団の絡み、薬物や芸能人と政治家の絡みなど、実際にあった事件を彷彿させる話題で構成される。住専や最近某総理の息子も絡んだ衛星放送の許諾をめぐる事件など、時代を先取りした話題も多い。もちろんすべてフィクションではあるが、現実に起こりそうなだけに恐ろしい。
　＜クローズアップ＞　第3弾。今回も朝まで六本木で酒を飲んでいて、たまたま近くでパトカーのサイレンの音を耳にして、殺人現場をスマホの映像でとらえたという物。ニュースイレブンのディレクター鳩村はこれを番組で取り上げる。そのころ報道各社は、与党政治家のスキャンダルを追っていたが、布施はそれを取り上げることに反対する。独自の情報からそれが保守系の最大野党によるネガティブキャンペーンだと思っていたからだ。またそれと関係なく警視庁捜査一課特命課の黒田は3か月前に起こった刑期を終えたばかりの暴力長期未町暗殺未遂事件の犯人が殺された事件を調べていた。今回殺されたのは、暴力団を多く扱っていた雑誌の記者でその暗殺未遂事件の繋がりがあるのではないかと布施に接触する。二つの事件がつながったときに背後にネガティブキャンペーンを張っていると思われる政治家とのつながりも浮かび上がる。公正なる報道とは何か、中立性とは何か。布施が考えていたのは殺人事件よりもそのことだ。
　この小説が最初に刊行されたのは、2013年だから、書かれたのは保守政党が野党に回り、それを奪還する時期に当たる。著者もまだ当時は、放送が圧力に屈したり、捜査機関が上の意向で動くとまでは書いていないが、その後、与党になった保守政党から放送局に中立性という名のもとに圧力がかかったり、検事総長が政権の都合で決まったりすることまでは書いていない。むしろ何十年も昔であるまいしといっているだけだ。本当に現実は恐ろしい。
　＜アンカー＞　シリーズ第4弾。TVは報道番組の王から転落したのか。実際速さはネットの方が早いし、週刊誌の方が鋭い報道をしている。けれど、その０．１パーセントが巨大な視聴者を持っていることも間違いない。TVを見ない世代が増え、ドラマさえ、ネットの配信で見て、報道番組の視聴者は減るばかり。一時はキャスターの個性で回復したかとも思えたが、政府や政権を持つ者は、公平性という足かせを建前に圧力をかけてくる。前作でも客観性について鋭い指摘があったが、この作品でも報道について、頭が固いといわれるデスクの鳩村と、そのこわばりを突き崩そうとするほかのメンバーの食い違いが現れる。鳩村はよく言えば良心的で理想に燃えているが、それに固執するあまり、新しい挑戦ができないでいる。
　物語は、10年前に起こった殺人事件に対する取扱いの意見の食い違いが元なのだが、番組のテコ入れのために、関西から来た栃本は、とにかく視聴率を上げることが第一と考えるし、鳩村は報道の良心を持ち出す。その間に、初瀬は10年前の事件を調べ、継続捜査課の黒田に働きかける。もうすでに調べつくしたと思われる事件だが、いまだにビラ配りをしている両親や周りのことを聞きながら、かつては見逃され、いまだから明かされる繋がりを探し出してゆく。ともかく今の報道番組は面白くない。確認のために見ることもあるが、権力に流され、スポンサーに尻を振る報道番組に明日はあるのか。

　　状　態

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レターパック・プラス	全国一律５２０円。	専用パッケージに入ればOK。厚みのある物や同梱に便利。	４㎏まで。補償無し。
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