革命家チェ・ゲバラ著、「革命戦争回顧録」です。平岡緑訳、中公文庫。状態は、全般にかなり良好です。送料は、クリックポストで185円です。　

★内容：　チェ・ゲバラが、カストロとの運命的な出逢いからキューバ革命を達成するまでを回想する。困難を乗り越えて、状況分析、人心掌握の才を発揮する軌跡を克明に描く。本書はゲバラ本人による加筆訂正を反映した二部構成の決定版。過去の戦いを追想する一方で思慮深い政治的分析を加えている。生誕80年を記念して訳し下ろされた。

★著者、チェ・ゲバラ（Ernesto Che Guevara）は1928年、アルゼンチンの中産階級に生まれる。幼少より喘息をわずらい、医師を志す。医学博士号取得後、南米放浪中に亡命者グループと交わり、グアテマラの革命に参加したことから、民衆の解放と革命の必要性を痛感。メキシコで出会ったカストロとともにキューバ革命を牽引して成功に導く。その後ラテン・アメリカ全体の革命を導くためにキューバを離れ、ボリビアで活動を続けたが、1967年、政府軍に捕らえられて射殺される。

ゲバラは、誰よりもよく行動し、革命達成後も喘息を抱えながら寝食を忘れて公務と勉学に励んだという。自己に課す厳格な規律を周囲の者にも求めたため、当時の部下からは必ずしも好意を持たれていなかったが、民衆からはその勤勉ぶりを褒め称えられ絶大な人気を得ていた。フランスの作家レジス・ドブレは、革命軍に帯同した際のゲバラの印象を「好感は持てないが、驚嘆に値する人物」と評した。また、ジャン＝ポール・サルトルは「20世紀で最も完璧な人間」、ジョン・レノンは「世界で一番格好良い男」、カストロは「道徳の巨人」、「堅固な意志と不断の実行力を備えた真の革命家」と評した。他方、（当然ながら）親米・反共主義の諸国・人々の間では評価されていない。彼は武力闘争を圧政から逃れる唯一の道と断じ、1960年にはゲリラ戦の手引き書として『ゲリラ戦争 （La Guerra de Guerrillas）』を著した（ただし、その中で「平和革命と選挙による変革の道は可能性があるのなら望ましいし追求するべきだ。しかし、現在の条件のもとではラテン・アメリカのどの国においてもそのような希望は実現されることはありそうもないと思われる」と書いている）。また理想主義者でもあり、キューバ国民の労働意欲の低さを目の当たりにして、「共同体のために尽くし、労働を喜びと感じる『新しい人間』」の育成を目指し、その出現を国家展望の下敷きとした（狭義のゲバラ主義）。しかしソ連などの左翼学者からは「理想論に過ぎる」と反発を招き、現実路線のキューバ新体制の中で徐々に孤立した。彼の直接行動主義は「戦禍を撒き散らす男」のイメージとして各国に広まり、後年彼自身のゲリラ闘争の障害となる一方で、理想主義のほうは彼の自己犠牲的な行動力と相俟って、「清廉で理想に燃えた革命家」としての肯定的イメージを作り出す要因ともなった。

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