ヴェルディ 歌劇 ファルスタッフ DVD 極美品 マエストリ フリットリ カヴァレッティ カマレナ サウデッリ ナエフ ガッティ チューリッヒ 2011.3.

マエストリのフォルスタッフです。今さら言うまでもない嵌り役ですし、この役の為に生まれて来た歌手…と言える程の 見事な舞台振りが堪能できる録画だと考えます。現代の歌手ですので、性格的な表現をしたり 声を張ったりしない 円満で穏やかな歌唱が特徴で、その意味では カラヤン新盤のタデイに近い印象ですが、若い分だけパワーも有り 全てに亘り万全だと感じられます。ただ この行き方だと 役の持つ“苦味”が若干薄くなるのは仕方なく、終幕の皮肉味（イヤミ の意味ではなく ウラハラ感）は不足気味ですが、これも時代の志向だろうと納得が行きます。
これは チューリッヒでの舞台です。大道具は 壁と骨組…いわゆる“垂木”を見せた“一杯道具”で、ドイツ圏では よく見られる舞台。照明も明るくフラットな白系。衣装は現代と近代の混合で、特にファルスタッフは“旅芸人”かと思える姿。などなど 舞台面だけでは ちょっと意味が分かりづらい印象もありますが…逆に考えると 色々な要素が混淆したチューリッヒという土地柄も感じられ これもまた結構だと思いました。時々 ストップモーションになるのも面白いですが、それ程に効果的ではなく…発想としては テレビ的かも…。
ガッティの指揮は軽快でサラリとしたもので、かつての バーンスタインのパワフルな演奏の対極を行く表現だと思います。
歌手も 軽めの声の人々が集められている様で、マエストリもフリットリも声を軽く使いますし、クイックリーや脇役男声陣も とてもリリックでサラサラした歌唱です。カマレナはさすがに良いフェントン。終幕の“聴かせ所”はもっともっと聴かせても良い と思える出来で、ナンネッタ共々 すこし小ぶり。Dr.カイウスは その昔“プトバス”でプリモテノールだった方ですが、キャラクターテノール的になられていて、彼なりの春秋を思わせました。
若干の驚きを感じさせる舞台ではありますが、観る側にそう思わせたら製作サイドの“思うツボ”でもある訳で、歌唱 指揮 演出 いずれをとっても “現代” が薫る舞台だと思いました。

極美品です。本体 ブックレット ケース 共に開封時のままに綺麗だと思います。

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