英一蝶（はなぶさいっちょう、16521724）は、江戸時代中期を代表する異色の絵師・俳人で、“風流才子”として知られます。

基本情報
本名・幼名：本姓は藤原・多賀氏。諱は安雄（後に信香）。幼名は猪三郎、次右衛門、助之進
号・俳号：
剃髪後 “多賀朝湖”
晩年に “英一蝶”、画号「北窓翁」など
俳号は「暁雲」「狂雲堂」「夕寥」など

絵画活動
狩野派の修行と独立：狩野安信に学ぶが、破門された後もその画風を継承。京・江戸で「多賀朝湖」として活動
風俗画の開拓者：菱川師宣や岩佐又兵衛から影響を受け、庶民の日常や遊郭などを軽妙な筆致で描いた風俗画を確立

文学・人物交流
俳人としても活躍：松尾芭蕉や宝井其角と交流し、俳句文化にも精通
芸人・幇間としての顔も：吉原の幇間としても知られ、客を笑わせる才能で財を稼いだ

波乱の生涯
事件と流罪：1693年に謎の入牢を経験。1698年、「生類憐みの令」の違反などにより、三宅島へ流罪となる
三宅島時代＝“島一蝶”：限られた画材で島民や江戸風俗を描き、帰還後“島一蝶”と称される作品を遺した
赦免・復帰：1709年、将軍綱吉の死による赦免で江戸に復帰し、“英一蝶”を名乗る

晩年と評価
人気絵師として活躍：流罪後も市井の人々の暮らしぶりを生き生きと描き続け、豪商との交流も復活
没後の回顧展：2024年には没後300年を記念し、サントリー美術館で過去最大規模の回顧展も開催

おすすめ作品・展覧会
代表作：「雨宿り図屏風」「布晒舞図」「吉原風俗図巻」など、ユーモアと生き生きとした筆致が魅力。 特に流罪期の“島一蝶”の作品は高く評価されています
展覧会：「没後300年記念 英一蝶―風流才子、浮き世を写す―」（2024年9/18～11/10、サントリー美術館）では約90件の作品を展示



表具寸法（軸先含む）★約82×89
本紙寸法★約62×29


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