千利休（せんの りきゅう、1522年〈大永2年〉～1591年〈天正19年〉）は、安土桃山時代の茶人で、**侘び茶（わびちゃ）**を大成したことで最も著名な人物です。
わびの美学を茶の湯に徹底的に取り入れ、日本文化に多大な影響を与えました。

基本情報
本名：田中 与四郎（たなか よしろう）
法名・号：宗易（そうえき）、利休（りきゅう）
生年：1522年（大永2年）
没年：1591年（天正19年）
出身地：堺（現在の大阪府堺市）
師：武野紹鴎（たけの じょうおう）
主君：織田信長 → 豊臣秀吉

略歴
堺の裕福な商家の出身で、若くして茶の湯に傾倒。
武野紹鴎に学び、侘び茶の美学を深める。
織田信長に茶頭として仕え、のち豊臣秀吉の「茶頭筆頭」に。
秀吉の黄金の茶室や大茶会など、権力との関係を持ちながらも、あくまで質素な侘びの精神を貫いた。

茶道への貢献
茶室「待庵（じあん）」の設計（日本最古の二畳台目の茶室、国宝）
「わび・さび」の精神を徹底し、茶道を精神修養の道とした
道具や作法における「簡素・質実・不完全の美」を追求
自作の茶道具（黒楽茶碗など）を好み、唐物重視の時代から国産重視へ転換を促した

晩年と死
1591年、突如豊臣秀吉の不興を買い、切腹を命じられて自刃。享年70。
死因については諸説あり、「秀吉との対立」「政治的な圧力」「宗教的対立」などが語られる

千家の流れ
千利休の流れを汲む茶道の家元は、現在三千家として知られます：
表千家（おもてせんけ）
裏千家（うらせんけ）
武者小路千家（むしゃのこうじせんけ）

千利休の言葉（一例）
「茶はただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし」
「一期一会」
「侘びとは不足の美なり」

千利休は、日本の「美の基準」を根底から変えた人物であり、日本文化における“静”の思想の体現者とも言えます。
現在でもその哲学は、建築・芸術・精神文化に深く息づいています。



表具寸法（軸先含む）★約48×113
本紙寸法★約28×19


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