ヴェルディ 歌劇 ナブッコ オリジナルハイライト ドイツ語歌唱 未開封 スチュワート リアー タルヴェラ 1965年 シュタイン 廃盤

ドイツ語歌唱によるナブッコ オリジナルハイライト盤です。手にして思わず二度見をする様な意外性に溢れて とても面白い録音だと思います。
ヨーロッパの各国には それぞれ独自のオペラ文化があり、上演形態も演目も演奏も各々個性的で、同じヴェルディでも好まれる演目が違っていたりして 何かと興味深いです。
その実態を窺い知るハイライト盤が、かつては各国で盛んに製作されており、それらは今でも充分に魅力的です。何しろ 各レーベルの腕っこき達が 知恵を絞って作り出した録音ですので、ひと癖もふた癖もある盤ばかりで、主張も強く 眺めているだけで ついニヤニヤしてしまう“曲者”揃いです。
現在出品中のドイツ語版 “椿姫” が 名場面揃い名歌手揃いの かなり正統的な製作姿勢なのに比べて、こちらは ちょっとヘソ曲がりな企画で、今風に言えば とても “クール” な印象を受けます。
スチュワート リアー夫妻にタルヴェラ と顔触れはすこぶる強力なのですが、スチュワートのナブッコは 有名な二重唱とアリアの２シーンのみで、イヴリン リアーも “えー アビガイッレ” かと思えば なんとフェネーナ。一方 アビガイッレに 例の有名なアリアは無く、三重唱と二重唱のみのアンサンブル要員…と かなり破天荒な内容で驚きます。それに引き比べて “合唱曲”はザッカリアにタルヴェラを充てて ほぼ全曲がトレースされていて 不釣合いな程です。
つまり…ここでは ナブッコの “オペラとオラトリオとのちょうど中間的な性格” がクローブアップされている訳で、これはこれでひと見識のある構成だと認識を改めました。一般的な注目が アビガイッレやナブッコの性格的な音楽に集まったのは、実は戦後の“カラスの時代”からかも知れず、一方 ドイツにはドイツなりのヴェルディ上演の歴史がある事も確かで、このハイライト盤からは 60年ほど前までのドイツにおける “ナブッコ” 受容の実態が窺えて はからずも目を見張りました。
そう言えば、大昔…半世紀ほど前ですが 日本でもこの曲について ガイド本などでは “合唱オペラ”という副題を付けて紹介が為されていたはずだったと気がつきました。
特異な内容ですが、なにぶん示唆に富む盤で…“これだからハイライトは面白い” と嬉しくなります。私はLP盤を聴いておりました。この体裁では既に廃盤かもしれないです。

未開封につき中身は確認しておりません。落札後にご了解があれば検品の上発送いたします。その他は基本的にはNC.NRでお願いします。ただし未開封と言うのもたのしみなもので…。

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