鶴屋南北作、河竹繁俊の校訂となる「東海道四谷怪談」です。岩波文庫、2014年の版。状態は、未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です（※厚さ2cm以下の文庫本は、合計１㎏を超えない範囲で計4冊程度まで同梱可能です）。　

★内容：　「お岩様」の怪談として人に知られている四谷怪談は、「怪談もの」の傑作であるばかりでなく、歌舞伎脚本史上に「生世話物」の分野を確立した南北一代の名作である。その作劇法の縦横の駆使と大胆な描写はまさに驚くべきものがあり、特に《地獄宿の場》《隠亡堀》など奇趣、陰惨を極めている。本書は新発見の原作本から校訂した。

★鶴屋南北（4代目；1755 1829年）は、江戸時代後期に活躍した歌舞伎狂言作者。大南北ともいう。21歳のころ桜田治助の門に入り、長い下積み生活を経て49歳で立作者となる。その後25年間に120編の作品を書き、独創性に富む作風で「怪談物」・「生世話物」を確立した。また、現在に伝わるような鬘（かつら）や巧妙な舞台装置の創造などを通して、歌舞伎の新しい表現を開拓した。南北は、奇想天外な着想と現実主義に徹した描写を得意とし、頽廃と怪奇の中に毒のある笑いを加味したその表現は、文化文政期の世相を色濃く反映している。代表作に『天竺徳兵衛韓噺』、『東海道四谷怪談』、『絵本合法衢』、『於染久松色読販』、『隅田川花御所染』、『桜姫東文章』などがある。

★校訂者、河竹繁俊は1889年（明治22年）、長野県生まれ。演劇研究家。早稲田大学英文科卒業。坪内逍遙に師事し、早稲田大学教授、早稲田大学演劇博物館館長、日本演劇学会会長（初代）などを歴任。歌舞伎史・比較演劇を中心に演劇史を研究した。主な著書に「日本演劇全史」（学士院賞）、「河竹黙阿弥」、「坪内逍遙」、「歌舞伎作者の研究」、「歌舞伎史の研究」、「逍遙、抱月、須磨子の悲劇」、「演劇百科大事典」（監修）など。文学博士。文化功労者。1967年死去（享年78）。

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