クリス・レア、ボブ・ディラン、ブルー・ナイルのカバーや、ドラマ主題歌にもなった「レディ・ラック」を擁するアルバム。日本盤のみボーナス・トラック「セイリング」収録。1995年作品。 本アルバムは1991年リリースの『 Vagabond Heart』に続いて1995年にリリースされ、90年代のオリジナル・スタジオ・アルバムとしては2作目になる。前作の『Vagabond Heart』は、バラード、R&B(ソウル)テイストを主体に(“Van Morrison”の「Have I Told You Lately」のカバー、“The Temptations”がフィーチャーする「The Motown Song」など)、アップ・テンポな“Tina Turner”とのデュエットの「It Takes Two」など、多彩で充実した完成度の仕上がりであった。本アルバムは、途中コンピレーション・アルバムのリリースもあったが、それから4年後のリリースと時間を置いたものである。全体的には前作『Vagabond Heart』のイメージを踏襲したと言って良く、バラード、R&B(ソウル・ブルース)が中心で、「Leave Virginia Alone」、「Lady Luck」、「Soothe Me」などを8ビートのポップ・リズムでフィーチャーしている。「Hang on St. Christopher」や「Delicious」が多少固めのロック・テイストが窺えるが、“成 熟 感”が強く70年代後半の“4部作”のような、例えば1978年の『 Blondes Have More Fun』のような鮮烈さは薄い。注目ナンバーとしては、“Bob Dylan”の「Sweetheart Like You」は、ブルース調でこの時期のロッドの志向性を象徴する仕上がりだろう。個人的には“Tom Petty”の「Leave Virginia Alone」のアップ・テンポな“ノ リ”、バラードでじっくり聴かせる「You’re The Star」がベスト・ナンバーと思う。70年代後半のような“カ リ カ リ”のロック・テイスト、“勢い”のあるバラードは影を潜めているが、“成 熟 感”のあるアルバムと言えよう。なお、アルバム・タイトルの『Spanner in the Works』とは“through”や“put”の動詞と共に用いて、“仕事等を台無しに(妨 害)する”という慣用表現になるが、まさかアルバム(というロッドの制作)の“台無し(妨 害)”という含意ではあるまい。 『ユア・ザ・スター』(原題:A Spanner in the Works)は、ロッド・スチュワートが1995年に発表したアルバム。『ヴァガボンド・ハート』(1991年)以来4年ぶりとなるスタジオ・アルバム。本作からは「ユア・ザ・スター」(全英19位)、「さよならヴァージニア」(全米52位)、「レディ・ラック」(オリコン39位・全英56位)がシングル・ヒットした。日本では、「レディ・ラック」はテレビドラマ『沙粧妙子-最後の事件-』の主題歌に起用された。また、日本盤には、1975年のアルバム『アトランティック・クロッシング』からのシングル・ヒット曲「セイリング」がボーナス・トラックとして追加収録された。同曲は、当時スバル・レガシィのコマーシャルソングに起用されて、再発CDシングルもリリースされていた。 試聴のみ。大変綺麗な状態です。邦盤。ボーナストラック収録。歌詞、対訳、解説、帯付き。サンプル。