中村隆英著、「昭和恐慌と経済政策」です。講談社学術文庫。360ページ。定価760円（税別。現在は値上がりして840円になっています）。状態は未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です（※厚さ2cm以下の文庫本は、合計１㎏を超えない範囲で計4冊程度まで同梱可能です）。　

★内容：　大戦景気の反動、金融恐慌などが続いた昭和初期、浜口内閣の大蔵大臣・井上準之助は、為替変動の安定化をめざし金輸出の解禁を断行。念願の金本位制復帰を図ったが、そのための緊縮財政は折からの世界恐慌の波をうけ、未曾有の大不況を到来させた。この昭和恐慌を引き起こした経済政策をめぐる政党間の抗争、財界の思惑、投機的行動など、秘められた歴史を明らかにした昭和経済史の泰斗による力作。

　1　金解禁まで
　　　1．金本位の意味するもの
　　　2．日本の金本位制
　　　3．海外の金本位復帰
　　　4．金解禁是か非か
　　　5．金融恐慌
　　　6．田中内閣から浜口内閣へ
　2　金解禁の実施
　　　1．井上準之助
　　　2．解禁の準備
　　　3．金解禁賛成論
　　　4．金解禁反対論
　　　5．解禁の実施
　　　6．世界恐慌
　3　恐慌下の日本
　　　1．産業合理化
　　　2．農村の窮乏
　　　3．中小企業の危機
　　　4．失業の増大
　　　5．政治的動揺
　4　危機の切迫
　　　1．井上の政策
　　　2．財閥の動向
　　　3．ドイツの金融恐慌とイギリスの金本位離脱
　　　4．満州事変の勃発
　5　金輸出再禁止
　　　1．ドル買い問題
　　　2．陸軍の圧力と協力内閣運動
　　　3．井上の抵抗
　　　4．第2次若槻内閣の倒壊
　　　5．金輸出の再禁止と井上の死
　　　6．高橋財政の方向

★著者、中村隆英（なかむら たかふさ）は1925年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学教授（のち名誉教授）、お茶の水女子大学教授、東洋英和女学院大学教授を歴任。専門は、経済統計学・日本経済論。経済企画庁経済研究所所長、日本統計学会会長なども務めた。主な著書に、『現代の日本経済』、『日本経済』、『明治大正期の経済』、『戦後日本経済』、『戦前期日本経済成長の分析』、『昭和恐慌と経済政策』、『昭和経済史』、『昭和史』（大佛次郎賞、英訳版は日本学士院賞）など。2013年死去（享年87）。

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