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佐々木譲★笑う警官　北海道警察シリーズ（第一期全4巻）★　ハルキ文庫

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佐々木譲著　「笑う警官　北海道警察シリーズ（第一期全4巻）」　ハルキ文庫

　「笑う警官」　　　　　　　　　２００７年　６月　文庫3刷
　「警察庁から来た男」　　　　　２００８年　５月　文庫初版
　「警官の紋章」　　　　　　　　２０１０年　５月　文庫初版
　「巡査の休日」　　　　　　　　２０１１年　５月　文庫初版
　　　　　　定価　　　　６２９円～６８６円＋税　　３４６頁～４４８頁

★著者略歴★

　１９００年。札幌生まれ。広告代理店、本田技研勤務などを経てフリーに。１９７９年「鉄軌兵、跳んだ」でオール読物新人賞を受賞。１９９９年「エトロフ発緊急電」で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。それに続く昭和三部作も有名だが、２００２年「武揚伝」で新田次郎文学賞を受賞。２０１０年「廃墟に乞う」で直木賞を受賞。エンタメ、歴史、時代、警察小説など各分野で活躍。

★作品内容★

　”笑う警官”を第１作とした北海道家叡冊シリーズの第一期全4巻。それぞれ１冊づつで楽しめるが、主役は巡査部長の津久井、警部補の佐伯、パソコンに明るい巡査の小島百合の三人が、それぞれの持ち味を出しながら物語が進む。第１作”笑う警官”では、実際に北海道警察で起こった”稲葉事件”（2002年から2003年に発覚した警察幹部による、やらせ事件や組織的な裏金つくりが議会で暴露される）をモデルにされ、小説上では議会で証言した津久井が、警察上部に恨まれ、婦人警察官殺しの冤罪を掛けられ一時は射殺命令まで出る。それを晴らしたのが佐伯と小島だった（笑う警官）。事件は署長賞物だったが、上司に目をつけられた３人は、さすがに左遷はされないものの権限のない閑職に追いやられていた。
　＜笑う警官＞　シリーズ第1弾。原題は”うたう警官”だったが、映画化に伴って改題される。”うたう”とは、隠語で取り調べに対して内部情報をぺらぺらとしゃべることを言う。津久井は、守秘義務を免除され証言拒否は罪に問われる”百条委員会”で翌日証言することになっていたが、突然婦人警官殺しの容疑者とされる。以前おとり捜査で津久井と組んだ佐伯は、私的に影の捜査本部を作り冤罪を晴らそうとする。タイムリミットは16時間。
　主役は津久井のはずだが登場場面は極めて少ない。最初の場面では所轄刑事の佐伯が中古車の密輸事件の容疑者の逮捕から始まるが、道警の幹部から事件のストップがかかる。これはこのシリーズの底流となって第4巻でけりをつけるまでつながる。そしてそんな時、所轄署に婦人警官殺しが伝えられるが、これも道警幹部の意向により所轄から事件が取り上げられ道警本部の扱いになるのだが、いきなり婦人警官と依然付き合っていたという津久井が犯人ということになり射殺命令まで下りる。翌日百条委員会で証言が決まっていていかにも不自然なので佐伯が有志たちとともに裏の捜査本部を秘密裏に作り、捜査を開始する。盗難品から容疑者を割り出し確保するが、彼は盗みは認めるが殺しは否認する。一方小島は女性警察官のうわさを求め婦人警官が道警幹部と付き合っていたことを知る。口封じのために津久井はじめ窃盗犯の男まで殺されるかもしれない。佐伯らは警察幹部に隠れ二人をかくまう。しかし、警察幹部は彼らの動向をどこかでつかんでいるようだ。有志の中に裏切り者がいるのか。コウモリはだれか。佐伯たちは次々の送り込まれる警官の目をかいくぐり、津久井を百条委員会の議場まで送り込めるのか。怒涛と緊迫の一夜。
　＜警察庁から来た男＞　第２弾。津久井は突然、警察庁から来た監察官に呼び出される。警察庁にタイ国から苦情が寄せられていたのだ。派出所に保護を求めた１６歳のタイ人少女が、派出所から暴力団に渡されたというのだ。他にも薄野で起きた墜落死が不可解な処理をされ揉みつぶされていた。査察に入った検察官だが、些細な事件は多く起こっているのだが、それが組織的に起こった物かどうかわからない。かつて警察内の膿を証言（うたった）した津久井に内部情報を求めたのだ。一方、佐伯は墜落死事件に不可解なものを覚え独自に捜査を開始、当時そのぼったくりバーで働いていた女性の証言を得られたのだが、その夜に殺されてしまう。佐伯の唯一の部下の新宮は、不手際から女性を守りきることができなかったことを後悔する。そして小島はその情報収集能力を買われ、パソコンで関係者の人事ファイルを調べる。けれど些細な事件ばかりでその関係者の繋がりがなかなか見えない。そしてついに糸口が。その繋がりとは、暴力団関係者が口走った”スーさん”とは誰か。津久井と佐伯が知り合った７年前のおとり捜査の発覚にもかかわっているらしい警察内部の情報提供者。後半は怒涛の如く一気に事件が動く。
　＜警官の紋章＞　シリーズ第3弾。やはり３人は閑職にいた。そんな時に北海道で洞爺湖サミットが行われることになった。そのため警備のため、日本国中から警官が集められ、その結団式が二日後に迫る。東京からサミット担当の大臣や警察のお偉いさんが集まることになったが。テロが計画されているという情報が寄せられる。小島は、その射撃の腕を買われ大臣の警護の特別任務が言い渡される。また津久井は、制服のままけん銃をもって失踪したという若い警察官の捜索に当たらされる。サミットを前に、猫の手も借りたい上司たちはなりふり構わなかった。でもやはり遊軍の扱いだ。そして、かやの外に置かれた佐伯は2年前に起こった中古車の密売を追っていた。摘発直前に上司からストップをかけられ、うやむやに終わらせられた事件だ。その時に上司の間でやらせ事件が起こっていて出世のために利用されたらしい。それぞれ3様に事件を追っている。それが一つに繋がってゆくのだ失踪した警官の父親は2年前の事件で証言する前日に自殺を遂げている。それを父親の同僚から聞かされたた男が消えた理由は。結団式が迫りテロが起こるのか。
　＜巡査の休日＞　第４弾。”警官の紋章”事件の冒頭で小島巡査が捕らえたストーカー男は、強姦殺人の容疑もかけられていたが、小島巡査に撃たれた方の傷の治療のために入院していた病院から逃走していた。逮捕から8日後のことだった。それから1年、男の身柄は発見できなかったが、神奈川県で現金輸送車が襲われ、そこに男のDNAが発見される。そして再びストーカーされていた女性に脅迫のメールが届く。今回は小島巡査の露出が目立つ。札幌よさこい祭の直前、脅迫メールが届いたので前回の被害者・香織の周辺警護に当たるが、香織はよさこいソーラン踊りのメンバーでその周辺警護といえば小島百合も一緒にステージに上がって踊ることに。一方、逃げた男を追うために津久井は、男が昔所属していた自衛隊の仲間を追うことに。それが見事にヒット、男は札幌に荷物を送っていた。その貸倉庫とよさこい祭二つの警備に翻弄される。一方佐伯は昔の事件の始末をつけるために東京に。その部下の新宮は、合コンの直前ひったくり犯を捕らえ、ジャケットがボロボロに。何や、かやあった後の日曜日、ランチをドタキャンした佐伯は、よさこいに参加していた百合に回し蹴りされ、新宮は合コンに出られずがっかり、久々の警察官の休日。第1部の終わりらしい。以前の上司もほとんど消え、いまの上司から物語の中でそれぞれ昇任試験を促され、次のシリーズではそれぞれ階級が上になっての活躍が見られるのか。

　　状　態

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レターパック	全国一律５２０円。	専用封筒に入ればＯＫ。まとめて送るのにはいい。	１冊のみでは割高かも。
ゆうパックなど宅配便	従量制、配達地によって料金が変わる。	大体８７０円～と見ていい。	まとめて送るのには割安。配達時間指定あり。