デジタルリマスター版

特別復刻付録
昭和29年版浪曲真打人気競(番付表)

二代広沢虎造。本名:山田信一。明治32年5月18日。
芝白金生まれの江戸っ子。アマチュア活動を経て十代でプロになる。
「次郎長伝」で売れてからは俳優として映画の出演も多くなり、
活躍は浪曲にとどまらない。昭和39年12月29日没(享年65歳)

収録内容

1. 秋葉の火祭り 其之壱
2. 秋葉の火祭り 其之弐
3. 次郎長名古屋の御難 勝五郎の義心
4. 石松と勝五郎
5. お蝶の焼香場 次郎長の貫禄
6. 久六の悪事 次郎長の計略
7. 大野の宿場 代官斬り
8. 清水次郎長伝外伝 清水の三下奴 / 善助の首取り

ディスク 1. 47分 ディスク 2. 47分
秋葉の火祭り 其之壱 其之弐 「春の旅 花たちばな 駿河路行けば 富士のお山は春霞」

安政二年。清水一家に賭場荒らしと間違われた法印大五郎。
大五郎は弟分の神沢小五郎の女房おしまが
親分の武居安五郎と浮気をしたため縁を切ってきたと話をする。
おしまは、小五郎が殺した肴問屋増川屋佐太郎の後妻で、
息子の仙右ヱ門は敵討ちを探して次郎長の子分となっていた。
次郎長は、遠州秋葉三尺坊の火祭りで仇討を決行する。

ディスク 3. 45分
次郎長名古屋の御難 勝五郎の義心
「旅行けば 駿河の路に 茶の香り ここは名に負う 東海道」

秋葉の仇討の後、次郎長と女房のお蝶、森の石松は、ほとぼりをさます旅に出た。
尾張名古屋まで来たが、途中の宿で金を盗まれ一文無しになり途方に暮れる。
道中、次郎長が出会った男は、次郎長に世話になった勝五郎という博打ち。
ご恩返しをしたいが、金もなくと言って詫び、保下田の久六を頼った勝五郎だったが……。

ディスク 4. 45分
石松と勝五郎
「三国一の 富士の山 麓に残る 一村は つけた名前も山本村」

久六は借金に追われ、お蝶に二十両、次郎長に三百両という金をもらって借金を返し、
もう博打はしないと約束して故郷へ戻ったが、地元でやくざの親分となっていた。
恩がある次郎長にならば、
金を工面してくれるのではないかと、勝五郎は期待したが、
久六は「次郎長は犬畜生に劣る野郎、御縄にして牢に入れる」と言って勝五郎を追い返す……。

ディスク 5. 45分
お蝶の焼香場 次郎長の貫禄
「旅行けば 駿河の路に 茶の香り ここは名に負う 東海道」

深見村長兵ヱの家に引き取られた次郎長一行。しかし安政三年正月元日、手当ての甲斐もなくお蝶は亡くなった。
莫大な香典が集まり、葬儀が行われた。
この席で次郎長の親類、伊勢の武蔵屋周太郎が
焼香に来ない人物がいることを尋ねると、次郎長は、久六とのいきさつを話し始める。
その様子を久六の子分熊五郎が縁の下に隠れて聞いていた。

ディスク 6. 45分
久六の悪事 次郎長の計略
「西東 ちぎれ雲かよ 風の間に 十手に追われて当てもなく」

保下田に戻った熊五郎は久六を責め、暇をとる。
久六は代官と組んで次郎長を召し捕ろうとする。
長兵ヱが気付いて次郎長と息子の長三郎を逃がすが、長兵ヱは捕まり、牢死する。
一方、三河の寺津間之助のところに身を寄せた次郎長一行。
長兵ヱの女房お縫がここを訪ね、長兵ヱの顛末を伝える。
次郎長は長兵ヱの仇討を約束して三河を発った。

ディスク 7. 45分
大野の宿場 代官斬り
「夏霞 富士の白雪 いつしか解けて 裾野そよ風 芒がゆれる」

次郎長以下八人が、尾張亀崎の宿、大野屋に入る。
宿の主が次郎長と盃を交わした大野の鶴吉の父親と知り、
鶴吉の消息を聞くと、久六の計略で捕らえられたと言う。
次郎長たちは代官屋敷の情報を聞き出し、門が開くという御用提灯をもらう。
準備万端整った次郎長一行は代官屋敷へ。
捕らわれていた鶴吉を救出した次郎長は仇討にかかる。

ディスク 8. 52分
清水次郎長伝外伝
清水の三下奴 / 善助の首取り
「出船入船清水の港 漁場気質も荒いこと 今年四十二男の盛り」

若勇という相撲取りの弟子シンガリ政吉が、次郎長宅へ詫び事が言いたいとやってきた。
吉原宿の善助という貸元から、若勇が二十両借りたが、病気になって返せなくなった。
そこへ善助の子分が取り立てに来て、返せないなら何か形を貰っていく、
そう言って、止める政吉と若勇の頭を殴って、
次郎長が贈ったまわしを持っていってしまったという……。

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