萩原英雄（はぎわら ひでお、1913-2007）は、日本を代表する画家・版画家で、特に木版画の分野で国際的にも高く評価された作家です。

略歴と作品活動
1913年（大正2年）2月22日 　山梨県甲府市（相生町、現：宝一丁目）に生まれる。
生まれ育った家庭での経験がその後の美術表現に影響を与えました 。
1933年38年 　東京美術学校（現：東京藝術大学）油画科に進学し、1938年に卒業。
卒業後、高見沢木版社に入社し、浮世絵の複製などで版画技術を学びました 。
1945年 　戦災によりアトリエや初期の作品が焼失。
この痛ましい経験を乗り越えた後、新たな創作活動へと転じます 。
1951年 　銀座・資生堂で油彩画による初個展を開催 。
1953年 　肺結核で療養中に、木版画による年賀状制作から版画制作に没頭するようになり、木版画家としての道を歩み始めました 。
195060年代以降 　木版画の制作に徹し、表現技法にも革新を重ねました。
凹版技法や両面摺り、コラージュによる版木制作などを取り入れ、油彩のような奥行きを版画で実現しようとした独自の探求が際立ちます 。

国際的評価と受賞歴
1960年 　第2回東京国際版画ビエンナーレ（東京・国立近代美術館）に出品し、神奈川県立近代美術館賞を受賞。
1962年 　第7回ルガノ国際版画ビエンナーレでグランプリを受賞。
1963年 　第5回リュブリアナ国際版画ビエンナーレでユーゴスラビア科学芸術アカデミー賞受賞。
1966年 　第5回東京国際版画ビエンナーレで出品作品「お伽の国No.1」が文部大臣賞を受賞。
1967年 　第1回チェコスロバキア国際木版画ビエンナーレでグランプリ受賞。
また、同年オレゴン州立大学客員教授として招聘され、海外でも高い評価を得ました。
その他にもサンパウロ・ビエンナーレや国際版画展など多数の海外展に出品。
1986年には山梨県立美術館で個展が開催されました 。
19791990年 　日本版画協会理事長を務め、版画界への貢献も顕著でした。
1992年以降 　第12回バンスカ国際木版画ビエンナーレ名誉賞など受賞多数。

晩年と遺産
2000年 　自身の作品約2,637点と収集品760点を山梨県立美術館に寄贈。
山梨県立美術館には、萩原英雄の作品を集めた「萩原英雄記念室」が設けられています 。
2007年（平成19年）11月4日、東京都新宿区で虚血性心不全により94歳で逝去 東京文化財研究所 。



額サイズ★約40×31
作品サイズ★約15×10


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