◆◆◆中国人は落日の日本をどう見ているか◆◆◆



（発行年月日）1998年8月10日
（著者）莫邦富
（定価）1728円
（ページ数）238ページ


（目次）簡単に記載致します。ご参考になさって下さい。


【中国人は落日の日本をどう見ているか】

○はじめに－今なぜ、本音で語る日本人論が必要なのか


［中国］
●？維忠（元日本留学生）
　日本の社会システムはサラリーマンの一生を保証するもの。ぬるま湯につかった雇用制度は、やる気や企業家精神を失わせる。


●暁蓉（信息興電脳　誌編集長）
　謹厳、緻密、研究熱心だが、人情味なし。「座して待つ」だけの日本企業は中国市場で優位に立つことはできない。


●陳平原（北京大学教授）
　いかに自分に有利な条件を引き出し、相手の虚を衝くかというかけひきでは、中国は日本より優れている。


●孫津（北京ろ訊文学院教授）
　日本は半封建的な資本主義の国。世襲制度時代の封建論理に基いてアメリカの占領政策を受け入れた事が経済発展の出発点だった。


●毛丹青（新華橋）
　日本研究に関して父親世代に視点を欠いた今の中国人にとって、日本は一晩で巨大な化け物に変身したかのようなイメージがある。


●染暁声（作家）
　日本の作家は西洋的な感覚と社会の急速な変化による喪失感を抱き、なにをいい、なにを書くべきかという問題に直面している。


［香港］
●孫利川（月刊明報　編集員）
　アジアに対して正式に反省していないことは日本の最大の弱点。反省しない以上、脱欧入亜はしようにもできないだろう。


●周？卿（棋士国際グループ　会長）
　団結心、自己防衛意識、終身雇用制が日本企業の強み。帰属意識がなく個人の権限が大き過ぎるアメリカ流のビジネスのやり方は恐ろしい。


●沈鑑治（信報　紙編集長）
　ハイテク技術を導入しても使いこなせないのは確かだが、中国人は、日本の技術移転の「出し惜しみ」に不満を感じている。


・


［台湾］
●呉念真（映画監督）
　日本を崇拝している父の世代、日本は悪いと思う若い世代。台湾人の相反する日本観は、受けてきた教育の影響が大きい。


●蘇進添（中国文学大学日本研究所所長）
　台湾は日本に依存する体質から脱し、自らの道を歩むべき。日本は台湾から利益を得るだけで、恩恵を与えていない。


●陳維昭（台湾大学学長）
　台湾大学との提携関係すら結ぼうとしない日本の国立大学。中国共産党の顔色をこれほどまでに気にする日本の官僚主義には呆れる。


●染粛戒（元立法院院長）
　大陸出身の人間は日本に好感をもてない。日本は、中国の国力を弱め、競争相手をなくすため、台湾と中国の分裂状態を是認している。


●しょう？国（しょう介石の次男・軍人）
　外交面では冷淡な態度をとっているが、日本は強大な経済力に頼って、台湾を南進戦略の跳び板にしたいという考えを温存している。


○おわりに－中国人との新たな付き合い方を考えるときがきた


［大陸、香港、台湾の学者、作家、経済人、政治家、新聞人など十四人が、日本について忌憚なく語ったインタビュー集である。日本人の想像を越えた中国人の論理と対日意識がよくわかると同時にその本音の日本観を通して、低迷せる日本が今、克服すべき弱点、問題点が見えてくる。中国との付き合い方を誤らない為に、そして日本再浮上のてがかりを掴む為には、必読の一冊。］



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（2017年 5月 5日 12時 58分 追加）
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