ヴェルディ 歌劇 ロンバルディ スリアン テオドッシュウ ジョルダーノ ピッコーリ 極美品 廃盤 セヴェリーニ 2001.11. クレモナ ダイナミック社 リブレット

ヴェルディの“ロンバルディ” です。ヴェルディの4作目で “ナブッコ”の次の作品だけに、大ヒットした前作にかなり近似した音楽が散見され、それはそれで興味が尽きません。欧米では既にかなりの人気曲らしく、ヴェルディ初期作の中では “ナブッコ”“マクベス”“エルナーニ”に次ぐクラスに位置付けられて、歌劇場のレパートリーにも時折組み込まれるくらいの状況かと見受けます。“トゥット ヴェルディ”のシリーズでも かなり良い顔触れで上演が組まれていて、いわゆる“目玉”の一つであった事が理解されます。
その“トゥット ヴェルディ”は2009年の録画で、こちらは2001年のクレモナでの録音。同じく大変に豪華で、良い条件の舞台だったと思われます。パルマ同様 テオドッシュウが聴き物です。かつては スコットが超人的な出来を示したジゼルダですが… “優しさ”と“美しさ”と“勁さ”を兼ね備えなければいけない 大変に難しい役を ほぼ完璧にしこなして見事だと思います。“アビガイッレ”と同趣の 更にそれから“野卑さ”を除いた感じのアリアを歌わねばならず…ある意味ではより至難な役だと言えましょうが、8年前だけに高音も透き通った美声で 装飾音も省略なく、パルマを上回る間然するところの無い仕上がりです。この方 かつては“ヴィオレッタ”も歌っていたはずですし、“ヴェルレク”もリリカルで素敵でした。ヴェルディ初期作においては 近年での最適任者だったと言えましょう。パガーノにスリアン、オロンテにジョルダーノと周囲も豪華で周到。指揮が少し控え目で、アリアのカヴァレッタが盛り上がりを欠き 不完全燃焼。オケとコーラスが小人数で 力感に乏しいのも 一因かと考えられます。
正式には“第一回十字軍のロンバルド人たち”という長いタイトルの曲です。もう少しシャープな名称を…と考えてしまいますが、ヨーロッパにも長い歴史があり、“十字軍”だけに関しても 見方は様々で、そう安易に整理してしまう訳にも行かなかったのでしょう。ならば 日本だけの “略称”が出来そうにも思えますが、単独で取り上げられる程の有名曲に乏しいぶん 略称の需要もなく、“ロンバルディ”すら簡単には定着しない状況なのだと考えます。
クレモナ ポンキエッリ歌劇場のライブ録音。イタリア各地の 意欲的で魅力的な舞台を 精力的に収録し続けているダイナミックレーベルのCDです。この社の製品は おおかたが CDとDVDの両立てですが、珍しくこれはCD単独らしいです。録画が間に合わなかったのか…または収録はしたものの契約上の問題でもあるのか…。

極美品です。伊英対訳付き。CD ブックレット ケース 紙ケースとも開封時のままだと思います。初回限定ではないにしろ、この社の製品は発売後に程なく品切れになりがちで… 案の定 これも既に廃盤らしいです。

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