伊藤東涯（いとう とうがい、1670年〈寛文10年〉－1736年〈元文元年〉）は、江戸時代中期の儒学者・漢詩人。
京都に生まれ、朱子学を正統とする「古義堂（こぎどう）」を主宰した伊藤仁斎の長男であり、その学統を受け継いで発展させた人物です。

基本情報
本名：伊藤 仁（まさし／ひとし）
通称・号：東涯（とうがい）、字は子猷
生年：1670年（寛文10年）
没年：1736年（元文元年）
出身地：京都
父：伊藤仁斎（古義学の祖）

主な業績と人物像
父・伊藤仁斎の学問を継承し、「古義学」を体系的に整備・発展させた。
兄弟に伊藤長胤（ちょういん）、息子に伊藤蘭嵎（らんゆう）がいる。
京都・堀川にあった私塾「古義堂」を継ぎ、門人の育成に努めた。
儒教の中でも孔子や孟子の言行（『論語』『孟子』）を重視し、「経書に返れ」の精神を貫いた。
同時代の新井白石らと並ぶ江戸儒学の中心的人物。

主な著作
『論語古義』
『中庸発揮』
『大学定本』
『孟子古義』
『伊藤東涯文集』
『日本外史』
の先駆となるような歴史論評も残した。

特徴
古文辞学派（清代中国の影響を受けた学風）とは異なり、心情に根ざした誠実な読解と倫理観を重視。
公家や武士から町人層に至るまで広い支持を得た。
東涯の学問は、儒学における実践倫理を日本社会に定着させる上で大きな影響を与えた。

墓所・顕彰
京都の大徳寺塔頭に墓所がある。
古義堂跡は現在も京都に保存され、学問の地として知られている。



表具寸法（軸先含む）★約74×118
本紙寸法★約59×33


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