【真作保証】 川村清雄 「へちま」 変形100号 展覧会出品作 銀座老舗画廊旧蔵 維新の洋画家 勝海舟交流画家

近代日本美術の知られざる先駆者・川村清雄(かわむら きよお)〔嘉永5年（1852）～昭和9年（1934）〕 ―近年とみに評価が高まっている幻の洋画家です。旗本の家に生まれ、明治維新からまもない時期に渡欧し本格的に油絵を学んだ最初期の画家でしたが、当時の 洋画壇から離れて独自の画業を貫いたため、長らく忘れられた存在でした。しかし彼が生涯をかけて追究した日本人独自の油絵世界は、今急速に見直されてきて います。
本作は、近代日本美術の先駆者・川村清雄の再評価をきっかけとなった「維新の洋画家 川村清雄」展に出品された作品です（出品番号187）。
図録には著名な銀座の老舗画廊である飯田画廊蔵と記されています（図録の画像は校正ミスにより反転されています）。
●作品サイズ：165x11cm
●額サイズ ：191x24cm
●技法：板に油彩に
●コンディション：概ね良好です。（板にカケ等ありますが図録にもあり、もともと賭けのある板に描かれたのかもしれません。）
※出品物についての箱の有無、及び額縁に関しましてはあくまでも作品の付帯品とお考えください。箱のコンディションや額のコンディション等によるクレームは一切お受け出来ませんので予めご了承ください。
※商品受け取り後すぐに，受け取りボタンを押してくださる方のみ，入札をお願いします。

【美術界データブック参考価格】
美術年鑑に1号あたり60万円と掲載されています。変形100号オーバーですので，6000万ということになるかもですが，横幅がずいぶん細い変形ですので，実際にはどうなんでしょう，，，。

【作者について】川村清雄（１８５２－１９３４）は、明治から昭和にかけて活動した洋画家。アメリカ、フランス、イタリアと留学を重ね、絵画を本格的に学び、帰国後は勝海舟の斡旋や援助により画家活動を始めました。清雄は留学時に日本の伝統と美を再認識し、漆や絹など従来の日本美術で使われてきた支持体に油彩画を描くなど、『日本の洋画』を追求し続けました。

川村清雄（幼名は庄五郎、諱は修、通称清兵衛、号に時）は、嘉永5年4月26日（1852年
6月13日） 江戸麹町表二番町法眼坂上で御徒頭で御庭番の家系である川村帰元修正の長男として生まれました。祖父修就は新潟奉行、大坂町奉行、長崎奉行などを歴任した優秀な幕臣で、後に勝海舟は三河武士の美風を残した侍の一人として挙げています。また、父の帰元は『旧事諮問録』（岩波文庫）にて自身の体験を語るなど、貴重な記録を残したことで知られています。川村清雄が、7歳の時住吉派の絵師住吉内記に入門、2年後祖父の大阪東奉行就任に伴い大阪に赴き、南画家の田能村直入に教えを受け、江戸に戻ると田安家の絵春木南に師事しました。文久3年（1863年）英学留学のため開成所に通い、その画学局で高橋由一、川上冬崖、宮本三平から西洋画法を学びました。初は、あくまで武士の嗜みとしての習い事であり、清雄は絵を描くのは好きだったものの、この頃は将来画家になるとは思っていなかったといわれています。明治元年（1837年）徳川家達の奥詰として使え、翌年家達に従い静岡へ移住しました。大久保一翁、勝海舟らの斡旋により、明治4年（1871年）3月、徳川宗家給費生として仲間五人と共に渡米しました。船中、下等船室での待遇の悪さに耐えかね、大半の日本人客が上等に移った後でも、「見苦しき事甚だし」とし、船底で寝起きし、船内の様子をスケッチに残しています。本来、政治や法律を学ぶための留学だったが、渡米中に周囲から画才を認められ、後に清雄の妹と結婚する外山正一の勧めもあって画家になることを決意しました。地では、日本公使館の書記官で画家のチャールズ・ランマンに学び、この時、ランマン邸でホームステイをしていた津田梅子の看病をしています。明治6年（1873年）パリへ転じ、オラース・ド・カリアス等に学び、アカデミズムの歴史画制作の有様とその思想を吸収しました。この年、明治政府は海外留学生の一斉帰国を命じましたが、川村は私費留学生として残りました。明治9年（1876年）2月イタリアに移り、ヴェネツィア美術学校に入学、同年推薦もあって紙幣寮官費留学生として採用され給与を受けました。明治14年（1881年）再三の留学延期願いが却下され帰国、翌年大蔵省印刷局に彫刻技手として勤務しましたが、一年を待たずして辞職しました。明治16年（1883年）勝海舟から徳川家代々の肖像画制作を依頼され、勝の援助により画室「心華書房」を建設しました。勝から「時童」の号をつけられ、一時は隣の家に寄宿しました。明治18年（1885年）麹町中六番町で画塾を開き、東城太郎を助手として弟子に教えました。明治22年（1889年）明治美術会創立に参加、同会解散の後は明治34年（1901年）、東城太郎、石川欽一郎、石原白道、二世五姓田芳柳らと会を結成しました。昭和9年（1934年）、天理教祖中山みきの肖像画制作のため赴いた天理市で、脳血栓により死去。戒名は大洋院殿心華時童清雄大居士、墓は新宿二丁目にある正受院。川村が留学中に受けた西洋画教育は、フランス絵画のアカデミズムやヴェネツィア派の壮麗な装飾画といった極めて正統的なものでしたが、帰国後は日本的伝統を重んじ、板や絹や屏風、金箔、銀箔など日本画の材料と手法を積極的に取り入れ、日本家屋に適した縦長・横長の画面形式を用い、季節感を生かし、筆触の冴えた独特の画風を示しました。作品は、東京国立博物館、神奈川県立近代美術館、静岡県立美術館、聖徳記念絵画館、東京都現代美術館などに所蔵されています。

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