20世紀イタリアの国民的作家、イタロ・カルヴィーノ（Italo Calvino）著、「カルヴィーノの文学講義 ― 新たな千年紀のための6つのメモ（Lezioni americane − Sei proposte per il prossimo millennio）」です。米川良夫訳。朝日新聞社刊、読みやすいハードカバーです。状態は、非常に良好です。送料はクリックポストで185円です。

★内容：　疲弊した現代文学を次の世紀に甦らせるために必要なもの、それは「軽さ」、「速さ」、「正確さ」、「視覚性」、「多様性」である・・・。全く新しい視点で神話や古今の名著名作、また科学者や宗教家の文献までも考察の対象に収めながら、自らが作家として目指してきたところを示す。さらに紀元3000年にいたる未来を視野に入れ、後代に伝えるべき文学的価値を明らかにするとともに、疲弊した現代文学を甦らせる処方を語る。本書は、1985－86 年度にハーヴァード大学で行われたチャールズ・エリオット・ノートン詩学講義のために書かれた。カルヴィーノは、イタリア人として初めて同大に招かれて連続6 回の講義を行うはずであったが、5 回分を執筆した後、同大学滞在を目前にしてこの世を去る。本書はその意味で、未完ながらカルヴィーノの遺書である。なお、欠けてしまった第6 回の草稿は「一貫性」についてとされている。

★著者、イタロ・カルヴィーノ（Italo Calvino）は1923年、キューバ生まれ。2歳でイタリアに帰国。20世紀イタリアの国民的作家とされ、多彩な作風で「文学の魔術師」とも呼ばれる。第2次大戦末期のレジスタンス体験を経て、『くもの巣の小径（Il Sentiero Dei Nidi Di Ragno）』でパヴェーゼに認められる。三部作『まっぷたつの子爵（Il Visconte Dimezzato）』、『木のぼり男爵（Il Barone Rampante）』、『不在の騎士（Il Cavaliere Inesistente）』で寓話的・ピカレスク世界を描き、SF風の短編集『レ・コスミコミケ（Le cosmicomiche）』、架空の都市を描く『見えない都市（Le Citt Invisibili）』、メタフィクション手法による『冬の夜ひとりの旅人が（Se Una Notte D'Inverno Un Viaggiatore）』など、現代文学の最前線に立つ小説作品のほか、文学・社会評論『水に流して（Una pietra sopra）』、『カルヴィーノの文学講義（Lezioni americane − Sei proposte per il prossimo millennio）』などがある。1985年死去（享年61）。

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