河口慧海著、「チベット旅行記」全5巻セットです（講談社学術文庫）。定価3,109円（税別。現在は値上がりして3,900円になっています）。状態は、5巻の出版年・カバー裏のデザインが異なりますが、本体はいずれもかなり良好です。なお本書には、上下2分冊の別バージョンもありますのでご留意いただければ幸いです。送料は、クリックポストで185円です。　

★内容：　仏教の原典を求めたいという求道者の一心から、厳重な鎖国をしくチベットに、あらゆる困難にうちかって単身入国を果たした河口慧海師の旅行記。抜群の面白さをもっているだけでなく、チベットの風俗・習慣等についての的確な記述は、本書をチベット研究のための第一級の基本的文献としている。
①チベット旅行記（1）：　チベット行を決心して海路カルカッタへ着き、万全の準備の後、ヒマラヤに入り、チベット国境を越えるまで。
②チベット旅行記（2）：　チベット国境を越えた慧海が、厳重な警備の眼を避けながらチベット第二の都シカチェを経てラサに至るまで。
③チベット旅行記（3）：　サラ潜入を遂げた慧海師がチベット人を名乗り医者として大活躍する。ついに法王に召出される程になり、盛名がますます上る。
④チベット旅行記（4）：　ラサの人々の生活やチベットの外交について述べられるが、ついに素性が露顕しそうになり、慧海師はチベット脱出を決意する。
⑤チベット旅行記（5）：　ラサを出立した慧海師が、厳重な五重の関門を奇跡的に踏破して英領インドに達し、海路日本に帰国するまでが述べられる。

★著者、河口慧海（かわぐち えかい）は1866年（慶応2年）、摂津国堺山伏町（現大阪府堺市）生まれ。黄檗宗の僧侶、仏教学者にして探検家。ベット仏教研究の泰斗。黄檗宗、五百羅漢寺海野希禅のもとで得度し、慧海と号す。中国や日本に伝承されている漢語に翻訳された仏典に疑問をおぼえ、仏陀本来の教えの意味が分かる物を求めて、梵語の原典とチベット語訳の仏典入手を決意する。日本人として初めてチベットへの入国を果たし、首都ラサに至り、チベット一切経などの多数の貴重な資料を持ち帰った。のち黄檗宗の僧籍を返上、還俗して在家仏教を提唱し、大正大教授、東洋文庫研究員をつとめた。『西蔵旅行記（チベット旅行記）』、『在家仏教』をはじめとして数多くの著作を残した。1945年（昭和20年）死去（享年80）。

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