三田村雅子著、「100分de名著ブックス 『紫式部； 源氏物語』」です（NHK出版、2015年12月刊）。状態は未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。

★内容：　想いは、伝わるか。　世界最古の長編小説で、その後の日本文学の流れを決定づけた『源氏物語』。表層と深層の両面から精緻に描かれた、愛と権力をめぐる人の欲望や因果は、優雅でありながら深く暗い影を落とす。いつの世も変わらぬ生の悲哀と葛藤を、尽きせぬ豊穣な物語世界から味わう。特別章「和歌でたどる源氏物語」収載。

　はじめに　想いは届けられるか
　第１章　光源氏のコンプレックス
　第２章　あきらめる女、あきらめない女
　第３章　体面に縛られる男たち
　第４章　夢を見られない若者たち
　ブックス特別章　歌で読み解く源氏物語
　読書案内

　源氏物語はこれまで、様々な関連本が出されている。様々なまとめ方があり、登場人物ごとに紹介したり、全体像を図鑑のようにまとめたり・・・。しかしあまりに長い物語であるため要約が難しく、的確なポイントを設定することに苦心する。たとえば、光源氏は一体どういう男か知りたいと思って調べると、イケメン、セレブ、女を全力で愛することが出来て・・・などと書かれているが、分かったような分からないような非現実感がある。そこで、本書の第１章では「コンプレックスを抱えたさびしい男」としての側面に光をあて、光源氏が、愛に何を求めていたのかを探ることにした。源氏物語は、決して甘い恋愛物語ではなく、人生の現実を鋭く描いた骨太な人間ドラマである。本書は現代に生きる私たちにも共感できる心理描写にスポットを当ててテーマを絞り込み、すべて現代性のある切り口を心がけた。（編集担当）

★著者、三田村雅子は1948年、東京生まれ。早稲田大学卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得修了。フェリス女学院大学文学部教授、図書館長。日本文学協会委員長。専攻は「源氏物語」「枕草子」「うつほ物語」、日記文学、中世物語。身体論、メディア論の角度から本文を読みこんできた。主な著書に、『枕草子 表現の論理』、『源氏物語 感覚の論理』、『源氏物語―天皇になれなかった皇子のものがたり―』、『源氏物語 物語空間を読む』、三谷邦明との共著『源氏物語絵巻の謎を読み解く』など。

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