英国ミステリ界の巨匠、エリザベス・フェラーズ著、「猿来たりなば（Don't Monkey with Murder）」です。中村有希訳、創元推理文庫。状態は、全般にかなり良好です。送料はクリックポストで185円です（※厚さ2cm以下の文庫本は、合計１㎏を超えない範囲で計4冊程度まで同梱可能です）。

★内容：　ゆるやかな丘の広がるダウンズ地方の片田舎、イースト・リート。異邦人からの助けを求める手紙に応え、連続誘拐未遂事件を解決するため、トビーとジョージはロンドンから遠く離れたこの地まで遠路はるばるやってきたのだ。だが、想像以上の寒村で彼らが出くわしたのは、前代未聞の誘拐殺害事件であった。たしかに、嫉妬に遺産に保険金と、動機にも容疑者にも困らない状況なのだが、誘拐されて死体となって見つかったのは、なんと、チンパンジーだったのだ！ 英国ミステリを代表する作家の一人、エリザベス・フェラーズ初期の秀作、本邦初紹介。解説：森英俊。

　◎『このミステリーがすごい！1999年版』 海外4位

★著者、エリザベス・フェラーズ（Elizabeth Ferrars）は1907年、英領ビルマのラングーン生まれ、イギリス育ち。本格ミステリの巨匠。ロンドン大学でジャーナリズムを学ぶ。30年代に執筆活動を始め、1940年に探偵トビー・ダイク＆ジョージ（Toby Dyke & George）が活躍する『その死者の名は（Give a Corpse a Bad Name）』でデビュー。同作はシリーズ化され『猿来たりなば（Don't Monkey with Murder）』などの代表作を生んでいく。ほかに、植物学者である自分の夫がモデルの「アンドルー・バスネット（Andrew Basnett）」シリーズ、別居中の夫婦ヴァージニア＆フェリックス・フリア（Virginia Freer and Felix Freer）」シリーズがある。生涯にわたり、多くの作品を発表し続けた。その作風は〈ドメスティック・ミステリ〉と形容されるように、一見平和そうに見える小さな家庭などで起った小さな事件を、巧妙なプロットとユーモアある筆致で描き出す。また女性キャラクターを中心とした人物描写も高い評価を得ている。邦訳されているほかの代表作に『私が見たと蝿は言う（I, Said The Fly）』、『間にあった殺人（Murder in Time）』、『カクテルパーティー（Enough to Kill a Horse）』、『さまよえる未亡人たち（The Wandering Widows）』など。イギリス推理作家協会（CWA）の1953年創設メンバーとしてミステリ普及に尽力し、のちに同協会の会長も務めた。1995年死去（享年87）。

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