彼のデビュー・アルバム『Maverick A Strike』の都会的なダブ・レゲエと超陽気な性格は、超冷えた「Even After All」や名刺代わりの「Sunday Shining」を含む5枚のシングルを生み出し、1998年のブリッツで最優秀男性ソロ・アーティスト賞を受賞したフィンリー・クエイを一躍有名にした。マーヴェリック』が完璧な夏のサウンドトラックだったという事実が主な理由だが、フィンリーの成功は、彼、彼の声、彼のサウンドが当時はユニークだったという事実にも負うところがある。あれから2年、ほとんど変わっていない。精神を高揚させるダブポップという点では、フィンリーにはまだ競争相手がいないし、彼の新しいアルバムには、前作と同じように楽でクールな曲がたくさんある。最も重要なのは、フィンリーがルーツ的なグルーヴやオーガニックなビートを、即座に記憶に残るポップ・チューンに変える方法を知っていることだ。シングル曲「Spiritualized」は、クアイのもうひとつの特徴である奇抜な歌詞、「壁を塗れ/プラグを直せ/この部屋をペルシャ絨毯でいっぱいにするんだ」、ロック・パワーのギター・グルーヴ、デスモンド・デッカーのレゲエ的な揺れを持つ「Burning」など、『Vanguard』に収録されている曲はすべて、人を惹きつけるメロディーで彩られている。しかし、Maverick A Strikeが決して突飛な作品ではないことを再確認させてくれる。どちらかと言えば、『Vanguard』の方がほんの少し晴れやかだ。 試聴のみ。大変綺麗な状態です。邦盤。ボーナストラック収録。対訳、解説、帯付き。 サンプル。