髙樹のぶ子著、「100分de名著『伊勢物語』」です（NHK出版、2020年11月刊）。状態は未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。

★内容：　王朝の雅とロマンを伝える歌物語として知られる「伊勢物語」。男と女の愛やすれ違い、旅先での鮮烈な風景、親子愛・主従愛・友情といったさまざまな愛の形・・・125の章段に華麗な物語と歌が綴られている。そこに新たな視点から光を当て、現代人にも通じる人間関係の豊かな知恵を学ぶ。

　主人公と目される在原業平は、天皇直系の貴種でありながら、さまざまな因果によって臣籍へとこぼれ落ち、エネルギーの全てを女性への愛と歌に注ぎ込む。「伊勢物語」は歌人・業平のいわばラブストーリー集であるが、その核にかれの人間的魅力が満ち溢れている。それぞれの女性の心に見事に寄り添っていく華麗なふるまい、男と女の情をつなぎ縒り合わせていく絶妙な和歌、女性だけではなく男性をも惚れ込ませる律義さ・・・など、業平の「人間力」から現代人が学びとれることはたくさんあるだろう。

　また「伊勢物語」では、業平と彼が強い影響を与えた藤原高子らの働きによって、当時の教養の中で支配的だった「漢詩の世界」から、その後の日本的な情緒のベースを形作った「和歌の世界」へと時代が動いていったさまも読み取れ、日本人の感受性のベースになってきた文化的ＤＮＡを深く理解することもできる。

★著者、高樹のぶ子は1946年、山口県生まれ。東京女子大学短期大学部教養科卒業。1980年『その細き道』で作家デビュー。『光抱く友よ』で芥川賞、『蔦燃』で島清恋愛文学賞、『水脈』で女流文学賞、『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、「トモスイ」で川端康成文学賞、『小説伊勢物語 業平』で泉鏡花文学賞・毎日芸術賞を受賞。日本芸術院会員、文化功労者、旭日小綬章受章。芥川賞など多くの文学賞の選考に携わるほか、九州大学アジア総合政策センター特任教授（アジア現代文化研究部門）も務めた。

※出品ページに表示の「配送方法」はあくまで単品でご落札いただいた場合の方法と送料でございます。複数点をご落札いただいた場合は、最も経済的な方法で一括発送いたします。具体的には、ヤフオクに「まとめて取引」という仕組みがあり、ご落札者による「まとめて取引」の要請に応じて、出品者より一括送料をお知らせし、その上で一括決済いただくという流れになります。