全訳注；青木正次、「雨月物語」上下・全2巻（講談社学術文庫）です。定価2,101円（税別。現在は値上がりして2,300円になっています）。状態は、上巻の後半数ページに蛍光ペンによる残念な傍線の書き込みがありますが、それ以外は全般に良好です（※気になる方はご遠慮いただければ幸いです）。送料は、クリックポストで185円です（※厚さ2cm以下の文庫本は、合計１㎏を超えない範囲で計4冊程度まで同梱可能です）。

★内容：　
〈上巻〉：　安永天明期の暗い世相、他人や自分までが怪しく得体の知れぬ異界の妖霊のように見えてくる時代社会の中で、そういう仮象の向う側に人はどこまでその人間的な実体に迫りうるものなのか、を問いつめた怪異小説。当代知識人の知的な苦悩に正面からいどみ、知的な文体を極限まで展開して、そこに人間が人間に出会いうる可能性を探った上田秋成の内的力動を伝える代表作品。古今東西の怪異小説中、秀抜傑出、深い感銘を与える。

　1　雨月物語序
　2　巻之一
　　　　1．白峯
　　　　2．菊花の約
　3　巻之二
　　　　1．浅茅が宿
　　　　2．夢応の鯉魚
　4　巻之三
　　　　1．仏法僧
　　　　2．吉備津（きびつ）の釜
　　　　3．上巻各編解説「此岸（ここ）と彼岸（むこう）」

〈下巻〉：　古今東西の怪異小説中、群を抜く『雨月物語』は江戸中期の国学者上田秋成の傑作である。本書は巻四「蛇性の婬」と、巻五「青頭巾」「貧福論」を収載。中世以来、邪婬の動物とみられている蛇の化身をテーマにし、一人の優男に終始執念をもやしてつきまとう女の愛欲を綴る「蛇性の婬」、美少年を愛するあまり、その死体を食べ尽くす鬼僧の、同性愛愛欲の妄執を描く「青頭巾」、金銭執着の「貧福論」など、卓抜な怪異描写で人間の執念のすさまじさを描く。

　1　巻之四
　　　　1．蛇性の婬
　2　巻之五
　　　　1．青頭巾
　　　　2．貧福論
　　　　3．下巻各編解説「此岸と彼岸」

★全訳注の青木正次は1935年、横浜市生まれ。国文学者。1958年東京教育大学国文科卒業、1965年東京大学大学院人文科学研究科中退。藤女子大学助教授、教授。2006年定年退任。2008年にロッククライミング中に転落し死去（享年73）。

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