北村小松の稀少ジュニア探偵小説『天狗岩の謎』（ポプラ社）難あり拍卖-51maijp【ymi.cn】

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北村小松の稀少ジュニア探偵小説『天狗岩の謎』（ポプラ社）難あり

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北村小松の稀少ジュニア探偵小説『天狗岩の謎』（ポプラ社）難あり: 商品编号：s1193876178 【浏览原始网页】

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ポプラ社。1960年刊、初版。仏装。本文の落丁はありませんが、裏表紙が欠落しています。おもて表紙の角および端にヨレ、背表紙に強いヤケ。表紙・本文ともに経年のシミ・汚れがかなりあり（茶ジミの目立つ頁あり）。角ヨレ・角折れ頁あり。表紙絵・挿絵：沢田重隆

【内容紹介】

（1949年から翌年にかけて、二葉書店の《小学五年》および《小学六年》に連載された長編。連載時の表題は『天狗岩のなぞ』で、〈怪奇探偵小説〉の角書きが付されていた）

勇少年の家はおじいさんの代まではその町でも一、二といわれるすばらしいお金持ちで、町の南はしに土蔵が二つもあり、馬小屋や穀物小屋や納屋が裏に並んでいる、大きな屋敷を持っていた。ところが、父親が戦地でなくなったあと、一家の生活はしだいに困窮するようになり、とうとう屋敷を造酒屋を営む隣りの水町家に売り渡し、勇と母親と母親の弟にあたる清三おじさんとの三人で、町から三キロほど南の小高い丘の林のなかにある別荘にひっこすことになった。勇の家がこの土地の豪家になったのには不可思議な言い伝えがあり、いまから九代前の先祖の小森道之進が、ちょうど勇くらいの年齢だった頃、ひどい嵐の晩に母親につき添ってもらって便所に行ったあと、いつまでたっても出てこないので、母親が心配になってなかをのぞくと、息子の姿かたちもなく、嵐にもかかわらず窓はあいていて、なかはびしょ濡れになっていた。そのあと、総出で道之進のゆくえを探したものの、どこへ行ってしまったのか、かいもくわからなかった。その道之進が七年後にひょっこり戻り、いろいろと話を聞いてみると、天狗さまにつれてゆかれ、さまざまな学問や修行をした末に、いろいろな宝物をいただいて帰ってきたという。

ひっこしの準備を進めるさなか、勇は母親から、もしものことがあったら勇に手渡すようにと、出征する父親から託されたという、小さな古ぼけた黒い木の箱を渡される。そのなかに入っていたのは、期待していたような宝石でも黄金でもなく、古ぼけた巻紙のようなものが一枚で、そこには以下のような三つの奇妙な家訓が記されていた——「屋敷、田畑、蔵は手ばなすも可なり」「うしとらの蔵は心して吟味すべし」「天狗岩は手ばなすべからず」。嵐の晩にに何者かが侵入し。その木箱が持ち去られるが、本物の書きつけは銀行の金庫に預け、にせの書きものを入れておいたため、事なきを得る。

勇らが別荘にひっこしたあと、もとの屋敷に移り住んできた水町家の主人は、夜中に侵入してきた泥棒と鉢合わせをして、格闘の末に負傷する。酒造用に改修中の蔵の、大黒柱のところの隠し戸棚からは、古ぼけた小さな壺が見つかり、そのなかには奇妙きわまりない天狗の面がおさめられていた。それは金属を加工した黒い面で、まるでウィンクでもしているかのように、左の目をつぶっていた（画像4参照）。おかしなことはなおも続き、木箱盗難事件を捜査中の友田刑事のもとには、差出人の名前のかわりに天狗の面が描かれた、木箱のありかを示した投書が届く。雑木もたいして生えておらず、耕してもいい畑などできそうにもないのにもかかわらず、勇たち一家の所有する天狗岩のある山を売ってほしいという人々が四人も現れ、清三おじさんのつとめている町の銀行を訪れるという出来事もあった。さらには、勇の祖父がふたり組の賊に襲われ、蔵の前で朱にそまって倒れているのを発見され、ほどなく事切れていたことも判明する。

左の目をつぶっている天狗の面はなにを示しているのか、天狗岩にはどのような秘密が隠されているのか、勇たち一家ですら知らないその秘密を知る者たちは、それをどのようにして知ったのか等々——謎は深まるばかりで、さらには「天狗さまが追いかけてくる」といって狂い死にした男（！）がいたこともわかってくる。

ジュニア探偵物では定番ともいうべき、宝探しを物語の中心に据えつつも、ひとひねりを加えることで、終盤の意外性の演出に成功している。その宝を狙う者たちにあきらめさせるために、清三おじさんらが用いる奇策も面白い。考古学や民俗学に関する蘊蓄も随所に盛りこまれており、他の作者にはない味わいのジュニア探偵小説に仕上がっている

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