本作はJB's及びその周辺の音源を集めた2CDアンソロジー。
『Food For Thought』から『Hustle With Speed』までのJB'sの5枚のアルバムとメイシオの『Us』からの曲を中心に編まれているが、アルバムのテイクよりも時間が長いヴァージョンや未発表テイク、シングル・オンリーの曲や変名でリリースした曲も多く含む。そのため、JB'sのオリジナル・アルバムを全部持っている人も、本作は必携・必聴。とにかく、2CDの最初から最期まで、漆黒のファンク・グルーヴにどっぷり浸かる超強力な編集盤。
アルバム収録曲のロング・ヴァージョン／別テイクの曲では、3連リズムの鬼ファンク・ジャム「Doing It To Death」が12分超の未発表コンプリート・ヴァージョン。重いベースが地響きを立てるへヴィー・ファンク「The Grunt」と、ブロックスプロイテーション系ジャズ・ファンク「My Brother」は、シングル両面(Part1&2)を繋いだロング・ヴァージョン。トグロ巻くベース・ラインが強力な「More Peas」は、未発表の14分弱のミッド・ファンク・ジャムで悶絶。「Gimme Some More」の未発表ライヴ音源も強烈なジャズ・ファンク・グルーヴ。「Same Beat」はPart1,2&3を繋いだ、グルーヴ垂れ流しのルーズ・ファンク。
シングル・オンリーの曲では、ドリフの全員集合の幕間で演奏してそうな脱力系ファンク「J.B. Shout」、ジワジワとグルーヴするミッド・ファンク「Givin' Up Food For Funk」、「Doing It To Death」と同じリズム・パターンのジェイムス・ブラウン・ソウル・トレイン名義の「Honky Tonk」、闇夜の路地裏ジャズ・ファンク「Dirty Harri」、ハービー・ハンコックのパーカッシヴなファンク・カバー「Watermelon Man」、ラスト・ワード名義のワウ・ギター掻き毟るファンク「Keep On Bumpin' Before You Give Out Of Gas」、ファースト・ファミリー名義の「Control(People Go Where We Send You)」、メイシオ＆ザ・マックス「Cross The Tracks(We Better Go Back)」、メイシオのソロ名義の「Future Shock(Dance Your Pants Off)」、本作中最も新しい録音となる76年の「Everybody Wanna Get Funky One More Time」など、いずれもファンク好きなら聴き逃せない曲ばかり。