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久米元一の稀少ジュニア探偵小説『七つの怪星』（ポプラ社）難あり

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久米元一の稀少ジュニア探偵小説『七つの怪星』（ポプラ社）難あり: 商品编号：x1193869421 【浏览原始网页】

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ポプラ社。1953年刊（版数表記なし）。カバー欠の裸本。非貸本。両表紙の角に少ヨレ・背寄りの部分に裂け、裏表紙に穴、背表紙の端にセロテープのはがしあと。前の遊び紙とおもて表紙の裏面のあいだに補強紙のはがしあと、後ろの遊び紙と裏表紙の裏面のあいだに補強紙貼りつき。経年のシミ・汚れがかなりあり（茶ジミの目立つ頁あり）。頁の下部（余白部分）に裂け目の入っている箇所が複数あり。頁の端に針で突いたような小さな穴がほぼ全頁にあり、ひと文字にかかっているものもありますが、文字自体は問題なく判読できます。落丁ならびに文字の欠落はありません。挿絵：沢田重隆

【内容紹介】

るり子の父の朝日奈竜之介は有名な私立探偵で、悪漢をとらえると、警察に渡す前に、そいつの頭をバリカンでくりくりぼうずにしてしまうことから、「バリカン探偵」のあだ名で呼ばれている。丸の内の探偵事務所の一室で手紙を前に考え事をしていた朝日奈探偵に呼ばれた、るり子と柔道三段の探偵助手の大山大助とはしこそうな給仕の健太は、〈七つの怪星団〉の鬼島弥太郎団長から送られてきた挑戦状を見せられる。頬にヤモリの傷あとのある、紳士強盗きどりの鬼島は、金持から金をまきあげて貧乏人にほどこすのを自慢にしており、さすがの朝日奈探偵も、隠れ家はおろか顔さえ見たことがなかった。手紙はこの日に丸の内のＮ劇場内において驚天動地の大犯罪をおこなうと予告してきたもので、大助青年と健太少年を連れてそれを見物にくるよう、挑戦していた。他に重要な用件があって行かれないという朝日奈探偵にかわって、るり子と大助と健太の三人がＮ劇場に向かうことになった。劇場に到着すると、特等席には有名なお金持の五ノ井父娘がおり、娘の美也子の胸には〈ダイヤナの瞳〉という、五十カラットもある、世界でも有名なダイヤが輝いていた（のちに模造品と判明）。すると、ニュース映画の上映中に異変が起きる。ニュース映画の字幕が消え失せると同時に、画面に右の頬に気味の悪いヤモリの傷あとのある大きな顔があらわれると（画像4参照）、「わたしどもが目的とするのは、ただふたりだけであります。そのふたりの名前は、有名な資産家の……」と言いかけたところで、パッと画面が消え失せ、うすくついていた予備燈まで消えて、場内はまっくら闇になる。

警戒をしていたにもかかわらず、思わぬ不覚をとってしまい、責任を感じた大助は、翌日から〈七つの怪星団〉の団員たちを見つけるべく、東京じゅうを歩きまわる。ところが敵もさるもので、偽の情報で大助青年をサーカス会場へとおびき出し、罠を仕掛けてくる。観客の観ている前で、箱抜けの大魔術に参加させられることになった大助は、箱に入ったあと、ピストルが鳴り響くとともに、箱のなかから忽然と消え失せてしまう（画像6参照）。すると、場内に怪星団の団長の声が響きわたり、翌朝の九時に銀座尾張町の交差点までくれば、朝日奈探偵の助手の面白い姿が見られるだろうと、告げてくる。大助はその時間に交差点を通過したトラックから転げ落ちた木箱に入れられており、その頭はバリカンで刈りあげられていた！大助を連れて探偵事務所に戻ると、その背中には黒い筆文字で第三の挑戦状が記されていた。それは、次の日に五ノ井家の大金庫から本物の〈ダイヤナの瞳〉を奪取するという、大胆不敵なものだった。金庫と向かい合ったよろいのなかに隠れた健太が見張りをするなか（画像7参照）、現れたのは意外な人物で、健太のとっさの機転によって、〈ダイヤナの瞳〉を守ることには成功したものの、美也子が怪星団にさらわれてしまう。

ジュニア探偵物の愉しさの詰まった長編で、名探偵対怪盗団というシンプルな図式がなにより魅力的。「犯罪はスポーツなり」を信条にしている変装の名手の団長を筆頭に、〈七つの怪星団〉の団員たち——「教授」と呼ばれる副団長、身軽な小男のチビ六、ふとっちょで力持ちの大男のタル万、黒いマントを着た松葉杖の老人、「ミセス」と呼ばれる女装の名手の美青年、めがねの吉と呼ばれる黒めがねの男——も個性派揃いで、このスリリングな物語を盛りあげる。名探偵と怪盗との知恵比べの醍醐味もたっぷりで、怪星団の団長が朝日奈探偵に化けて裏をかこうとする一方で、朝日奈探偵はタル万を捕まえたあと、助手の大助をタル万に仕立てあげて怪星団の隠れ家に潜入させるため、顔のさほど似てない大助の頭に、なんとなんと、鉄仮面をすっぷりかぶせるという奇策に出る！（画像8参照）「教授」が用いる自身の発明品の〈閃光ピストル〉も威力抜群で、その光線を浴びた者はしばらくのあいだ目が見えなくなり、朝日奈探偵や警察官らもその被害に遭う。

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